HEROS

まちづくり
2018.11.19
no.14
萌江
Moe
シンガーソングライター
ホヤで世界平和を目指すアイドル

プロフィール


萌江

アイドル

直球怨念型シンガーソングライターの異名をもつ石巻出身のアイドル。地元を中心に活動しており、2017年11月に初アルバム「奇笑転結」全国リリース。実体験をもとにしたストレートな歌詞の失恋ソングが、同性には共感を異性には恐怖を呼ぶと話題。ときおり全身タイツを装着してライブパフォーマンスを行う。一度聞いたら頭から離れなくなる「ほやのマーチ」や切ないのになぜか笑ってしまう「800円のロッカー。」など、脅威的な世界観を持つ。

 

 


石巻生まれ石巻育ちのアイドル躍動


-アイドルとしてライブ活動を始めて何年経ってますか?

本格的には1年と10ヵ月位です。大学を卒業してから本格的に目指そうって。前から曲を作ったり、歌ってはいたんですけど、まだ学生だったので、将来がどうなるかもわかってもいなかった。

-まだ2年程度なんですね

去年がすごい濃かったので、私も8年ぐらいやってる気がしました。毎週末、必ずイベントに誘ってもらっていて。週に3回ライブとかだと時間の流れる速さがすごかったです。

-週3回ってすごいですね

それこそ栃木のコンサートに出演させてもらったりとかも、いろんな県に行けるのも濃い時間に入ってるのかなと思います。石巻だけだったら見る世界も一緒だったかなと思うけど、県外に出てそういうふうになってるなと感じます。

-石巻でライブするだけじゃなくて別の場所でライブすることは、もえさんにとってどんな変化をもたらしたんでしょうね。

例えば、ほやの歌とか石巻だとほやのことを好きな人がいるから盛り上がるけど、県外はほやのことを知らない人が多くて。そんな食べ物あるんだねとか言ってもらえて。あと、ホヤって何って。地元の食べ物も知ってもらえるっていうのは面白さのひとつでもあるのかなと思います。

-私たちの身近な世界が外に出ると遠い世界なんだなっていうことがわかりますよね。それは外に出ないとわかりませんよね 。

それは本当にこの2年位で感じました。

-知らないところでホヤを歌うことにためらいはないのですか?

石巻のみんなは、ほや好きじゃないですか。

-みんなが好きかは怪しいですけど(笑)。

でも身近にあるじゃないですか(笑)。 なので、このホヤを歌うことは自信がありました。堂々と歌えて、県外の人も「おーっ」て感じで受け入れてくれてて。石巻で作られた自信が、今に繋がっているのかなと思います。


石巻のまちというライブハウスに育てられた


-その自信だったり、ほやへの信頼がすごいですよね。石巻で育った養殖みたいな。あの歌はもえちゃんと一緒に育っていったという感はあるんですか?

そうですね。

-まさに養殖アイドルですね。ヒーローならここでかなりパワーアップしたという感じなんですかね。

それはあると思います。
今まで仙台のライブハウスでライブしたことあるんですけど、このバンドはこのライブハウスに育てられたっていうのがあるんですよ。東京でもそうです。それが私の場合は石巻っていう大きなものになっています。

-もえさんの場合は、それが石巻っていうハコになっているんですね。街がハコ化してる。

確かにそうですね。仙台だといろんなライブハウスがあって、音楽も栄えてて、私もそれにはすぐ憧れてたんですけど、逆に石巻はちゃんとしたライブハウスがあまりなくて。まだ音楽文化が発展していなかったからこそ、みんなでここを盛り上げようっていうのがあったと思います。それが石巻というハコ感に繋がっているのかなと思います。 石巻で定期的に開催される演劇祭とかも、音楽界隈の人たちで一緒に盛り上げようっていう流れができてるから

-なぜ、石巻はそういう流れになっているんでしょうね。

なんなんですかね。この石巻の感じはなんなのかなっていうのは1年間ぐらい思っています。私からしたらそれが当たり前だったので。この間、石巻に歌いに来た人が「この石巻のみんなでって感じがすごいよね」って言ってて。

-まちの応援団みたいな感じがありますよね。商店街サポーターみたいな感じ。

ある意味昔ながらって感じですよね。

-石巻の共同体、人の関係性がハコになっているのですかね。

そうですよね。なんかお世辞じゃなくて、石巻面白いねって言った人がたくさん来るので。知らないアーティストとかを見ても、正直あまりノらないってのはあるけど、石巻だと知らない人が来ても盛り上がる。だから、私も安心して県外の人を呼べています。

-そういった話を他の方からも聞いたことがあります。

そういう意味でフラット。良いものは良いと言う。それは知ってる知らないとか関係なく。


面白い街で育った私が有名になることで、この街を知ってもらう


-そんな石巻で日々を過ごしてきたからこそ、もえちゃんが唯一無二の歌い手になっているような気がします。

たしかに、今どきいないアーティストだねって言われます。だけど、私自身はこの街だと自然に受け入れられてきたので、このまち自体がなにかヘンテコだと思います。

-この街がヘンテコなので、この街で育つと自然にヘンテコが生まれる。

それがヒーローが生まれる秘訣かもしれないですね。

-そんな中でヒーローとしてのミッションってあったりしますか?

直近の目標としたらホヤ大使になりたいって言って活動をしてるんですけど、そしたらこの前、市長の前で歌うことになって。言ってたら、ちょっとずつ叶っていってるというか。後は石巻でサーキットイベントみたいなことをやってみたいとか思います。1人じゃ無理だから、なにか企業の力を借りたいなって思ってますよ。せっかく音楽をやってるので音楽を広めたいっていうのは思ってます。

-それは石巻の中で音楽のカルチャーを広めたいっていうことですか。

はい。それは多分すごい先の話になるけど、そのためには私自身が有名になるぞっていう野望として。

-ちょっとこれは変な質問かもしれないですが、音楽シーンを作ることは、もえさんにとってどんな喜びがありますか?

純粋に音楽好きだから楽しいなって思うし、もっとこういう場が増えたらいいなって思います。1番はそこかな。後はすごい面白い街だからもっと知ってもらいたいし、本当変わった人がいるからもっと知ってもらいたい。

-ヘンテコですもんね。

まあ、同世代が少ないから音楽シーンを作っていきたいっていうのはあって。それは好きだから。やっぱりライブもたくさんしたいし、いろんな人の音楽も聴きたいし。音楽という入り口から石巻のことを知ってもらえると思うので。。


理想と現実の間でゆれ動きながらも突き進む


-そんなもえさんの葛藤というのはなにかありますか?

ちっちゃいことを悩んだりはします。例えば、明日ライブ大丈夫かなって緊張はするし、後は同世代のお友達が結婚して出産したって聞くと子ども欲しいって思ったりします…。

-リアルですね。

この活動自体は楽しいし、続けたいと思うけど、他のことに手がつかないっていうのは葛藤です。恋愛したいと思ってもそっちに行けなかった。今はとにかく夢中になっていることをしているということなんですかね。

-なるほどです。

今はそれが1番楽しいと思って、それこそ、どストライクの人とか白馬の王子様から求婚されたらわからないですけど、それくらいの気持ちで音楽をやれてるからここまで来れてると思います。


クセが強いアイドルとして目指す世界平和


-葛藤も見えてきたので、もえさんの必殺技を教えてもらっていいですか。

必殺技は変な歌ですかね。自分で言うのもアレですが、私的にはすごい変な曲を作ろうと思って作ってるわけではないんです。できたのが面白いねって言われている。でも私はそれが得意でやってるので、それこそ必殺技なのかなと思います。それはユニークさだったりオリジナリティだったりなんですかね。後は物怖じせず自分を出せるところですかね。もしかしたらハートの強さかもしれません。

-そんなヒーローもえさんを一言で表すと何なんでしょうか。

一言だと変人しか出ないですね。ホヤですね。ホヤの歌もめっちゃ笑ってくれる人もいるんですけど、中には「え?」って。クセが強いんだねーって。ハマる人は鬼ハマりするし無理な人はほんとに無理みたいな。

-今後それこそ音楽で盛り上げたいとかミッションが見えてきたと思うんですけど、どんなレベルアップを図っていきたいと思いますか。

一部でホヤ嫌いの人もいるんですよ。やっぱり受け入れられないって人もいるんですけど、でもやっぱりみんなに好きになってほしいって気持ちはあって。いくらハート強くてもポロってなる時があるので、どんな形だとしてもおいしさを知って欲しいっていう気持ちはあります。やっぱり万人に受け入れられたい。

-そこはアイドルですね。

確かに若いバンドマンの人とかは若者だけに伝わればいいとか言う人はいるけど、私はみんなに知って欲しい。やっぱ目指すは世界平和なんだな。でも自分はクセが強いというか。

-やっぱりヒーローっぽいですね。でも、そこでクセが強いといってあきらめるんじゃなくて、みんなにおいしいと言われたい。

それこそ、ホヤの歌を歌った時に、ミシガンからきた大学生が日本語わからないのにホヤホヤって言ってて。

-それは越えましたね、国籍の壁を。

ホヤで世界を1つに。

-すごいクリエイティブですよね。マニアックなものでてっぺんを取ろうって。クレイジー。ホヤで世界平和を目指す女。

いける気がします。

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