HEROS

2019.2.20
no.24
浅野基
Asano Motoki
福祉・教育系から飲食の道へと進んだ挑戦者

プロフィール


浅野基
Asano Motoki

長野県出身。石巻に移住後、フレンチトースト店「NICE PICNIC DAY」を開業。移動販売や市内のイベントにも数多く出店。橋通りコモン(現CommonーShip橋通り)での店舗営業を経て、2019年1月に新店舗を開店。((株)ヤマホンにより業務委託経営。)

 


カフェを作るというより、居場所を作りたかったんですよね


 

浅野さんはどのようなヒーローだと感じていますか。

今の時点で敵は見えていないのが正直なところかなと思います。敵は見えてない。来るべき日に備えている。準備中ですね。大きな敵が来ると思うんですよね、石巻に。

それこそ、石巻に来たきっかけはなんでしょう。

石巻に来たきっかけはボランティアですね。その時は大学生だったので、行ったり来たりをしていて、いざ来た時にカフェを作りましょうというプロジェクトがちょうどあって。

カフェを作りたいと考えていたのですか?

カフェを作るというより、居場所を作りたかったんですよね。それが自分のスタートではありますね。

居場所というのは、誰の、というのはあるのですか?

誰かのですね。誰かの居場所という漠然としたイメージがあって。僕は福祉・教育分野の勉強をして来たので、生きづらさというテーマがそもそもあって。そういう人たちにフォーカスを当ててました。

それがガラッとカフェになるというのは。

最初は飲食分野を考えていたんですよね。飲食というツールを通して支援というと大げさだけど、仕事のあり方というのを作っていきたかった。オフィスにキッチンがあるとか。”食”って職場を和ませると思うんですよ。空間を豊かにするし。そういうものに興味関心があったというか。いや、食に関しては、ツールとしてそうも言えなくなってきました。

食をツールとしてみなしていたのが、食の道に深く進んでしまっていると。

進んでしまいましたね。どの業界もそうですけど、中途半端はよくないですよね。自分がどういう人たちと関わりたいかと言われると、本気で動いているかっこいい人たち。そういう人と関わっていた方が自分は豊かになれるし、そう考えた時に自分自身も中途半端ではダメだと。大学の時はアマチュアだったんですね。そういうことは当時はわかりませんでした。

甘えていたと。それは石巻に来てから変わっていったのですか。

石巻で一生懸命頑張ってきた人たちに触れてきたからでしょうね。

それは飲食問わず?

問わず。どのジャンルでもそうです。

ここに来たからこそ、変わっていった部分というのはありますか。

そういう人たちと同じ土俵で同じ目線で喋ってもらえる。石巻というまちは。


誰かの居場所を作るというのは、他ならぬ自分の居場所なんでしょうね


 

別な場所だと難しいですか?

かもしれない。橋通りコモンで自分のお店を構えたのは大きかったですね。小さくても社長ですし。自分が成長したというよりは、環境に合わせて自分が変わらざるを得なくなったというか。

そこでの抵抗はありませんでしたか。

抵抗というか不安はありました。ただ確信はありましたね。よっぽど大事件が起きない限りは成功すると思っていたので。何があるかわからないですけどね。

その核心の中で、なぜ提供するメニューがフレンチトーストに?

まず、自分が好きというのはあります。あと、フレンチトーストはめんどくさいんですよね。めんどくさくない料理とめんどくさい料理があると思っていて。それは手間だったり、材料が日持ちする問題だったり。フレンチトーストは究極にめんどくさいです。刺身とかは単価が上がりますが、フレンチトーストはそんなに高くないですよね。だから大手はあまりやらない。儲からないから。

浅野さんは難しいものにあえてぶつかっていくみたいなところがある?

そうじゃないと勝てないと思うんですかね。そもそも競争を嫌がるタイプなので。競争はしてきたけど負けてきたタイプなので。

ちなみにどんなことに負けたのですか?

何においてもダメなんですよ。人と比べられるということで成果が出せない。

比べられることが苦手?

勉強とか。半分トラウマになっているのでしょうね。トラウマに近いというか。

それが、居場所作りに繋がってきているのでしょうか。

それはあるでしょうね。

それもあって、周りがめんどくさいことにあえて手を出していく。

この規模だからできるのでしょうね。

ある意味、自分の居場所になっているのでしょうか。

それはあるでしょうね。途中で気が付いたのですけど、誰かの居場所を作るというのは、他ならぬ自分の居場所なんでしょうね。橋通りコモンでの営業を辞めてから一年半ぐらい時間が経ちますけど、やっぱり寂しさがありました。失ってから初めてわかる、自分自身の居場所。あの場所は浅野だという認識になるじゃないですか。嬉しいというかありがたいんですよね。


普通に戦うと負けちゃいますからね


そこには浅野さんならではの技があるのではと思うのですが。浅野さんの必殺技はなんでしょうか。

これからですね。まだしっくりこない。打てないですね。自分の中での必殺技というのは自分の能力が最大化するわけじゃないですか。今はまだ基本コマンドを覚えている感じですね。単発の技しか打てない状態ですね。でもイメージはできてます。

新店舗での日々の営みで必殺技が生まれてくるかもしれない。

そうですね。どんなコマンドがベースになるのかもわかっていない状態ですね。パンチなのか、キックなのか、まずはどっちなのか。

イメージがあるというのと、お店をこうしていきたいという構想は繋がっていくと思うのですが、今後はどういう風に考えていますか。

自分はコマンドを増やし続けるのが好きかなと。

小ジャンプとか。

はい。自分自身の枠を狭めすぎずやっていきたいですね。本業をしていく中でコマンドを増やしていく作業というのはできるのかなと。飲食店は仕事時間が長いんですよね。10時間働くことはざらですし。

コマンド増やすのは面白いですね。コマンド使いになるのかもしれないですね。

普通に戦うと負けちゃいますからね。プレッシャーに弱いんですよ。自分自身で敵を大きくしてしまうのでしょうね。緊張すると相手が立派に見えてくる。敵を大きくしてしまって負けてきたというのもあるので。もう勝ちにいかないです。勝負の次元じゃない。個人店に関していえば、満足度は人それぞれじゃないですか。あなたがこのお店がいいと言っても、僕がそのお店を100%満足しているわけではない。それは逆も然り。

浅野さんはこのお店を今後どういう風に作っていきたいと思いますか。

大きなマスを捉えるというよりは、必要としてくれる人たちに100%届けられるようにしたいです。

これからが楽しみです。ありがとうございました。

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