HEROS

2019.3.24
no.31
加藤くるみ
Katou Kurumi
高校生と地域を結ぶ
まちづくりの妖精的コミュニティマネージャー

プロフィール


加藤くるみ
Katou Kurumi

高校生と地域を結ぶまちづくりの妖精的コミュニティマネージャー

1992年生まれ/宮城県角田市出身/石巻在住/B型/てんびん座/宮城大学事業構想学部卒/特定非営利活動法人かぎかっこPROJECTスタッフ


高校生と地域という存在は、私たちの中では対等に感じています。


 

加藤さんの今の仕事を始めるきっかけはなんでしょうか?

大学に進学するときに地域活性やまちづくりをしたいと漠然と思っていて。地域に関わることを何か学びたいなと。そして、宮城大学に入学する時に震災が起きました。大学に入ってからは学校の先生とボランティアとして様々な地域で活動することが多かったです。そのうち、自分のやりたいまちづくりというのは観光という分野ではなかったんだと気づきました。

観光分野ではないまちづくりですか。

もっと小さいコミュニティでのつながりを作りたいんだなと。私が地元で暮らしていた頃、子供会とか、地区のお祭りとか、吹奏楽部で地域のイベントで演奏したりしたときに、いろんな人に「加藤さんちの子」って声をかけてもらったり、良くしてもらえたことがずっと心に残っていて。それが今の仕事を始めることになった原点なのだと思います。

石巻に来てからはどういうことをされていたのですか?

高校生が主体となって活動するプログラムの企画運営ですね。高校生がつくるいしのまきカフェ「」(かぎかっこ)や、高校生バイヤーによる百貨店などのサポート。例えば、高校生百貨店の販売会までに高校生と話し合って、その間に商品の仕入先である地域の方とやりとりをする、という感じですね。

高校生と地域が接する部分を、大人スタッフが間に入って設計していく。大きく分類していくと、キャリア教育の分野に入るのでしょうか。

もちろん、高校生たちが成長するという点では教育という分野です。ただ、地域との接点を大事にしたいと思っていて。高校生と地域という存在は、私たちの中では対等に感じています。なので、高校生とのまちづくり、ですね。「どの分野ですか」とチェックを付けるとするならば、まちづくりに付けつつ、教育にも付けておくみたいな順序。

高校生とフラットな関係性でいる。上の立場から教えていくというイメージはあまり持ってはいない。

そうですね。高校生と関わった地域の方から、「高校生たちが頑張っているから、自分たちも頑張ろうと思った」という言葉をよくもらいます。高校生と地域の方々がお互いに刺激しあう感じになってほしいなと。


「理想が高いんだよね、加藤くるみは」というのをよく言われます。


 

なるほど。加藤さんがこれまで活動する中で印象に残ってることはありますか?

高校生百貨店の取り組みで地域の方に初めて電話をかけた時に「かぎかっこプロジェクトです」と言っても、「え?」って当然聞き取ってもらえない。「こういうことをしていて、こういう団体なんです」「ふうん」みたいな感じになります。高校生を連れて行って、色んな説明をして、やっと「そうなのね」と安心感を覚えていただける。その後も足を運び続けていくと、「あ、加藤さん」って名前を呼んでもらえて。他のスタッフがお店に行った時に、「今日は加藤さんじゃないんだね」とか。そういうのがすごくうれしかったですね。

加藤さんが地域のコミュニティに加わっていった体験ですね。まちづくりを学んできた加藤さんは、関係性やつながりを人一倍大事にしているようにと思いました。

そうですね、でも、コミュニケーションは上手くはありません。あとは、卒業生がたまに遊びに来て、「こういうことを悩んでるんだよね」とか言ってくれるんです。その流れで「(プログラムに)参加してよかった」と言葉をもらって初めて、高校時代に私たちとの時間を選択してくれて良かった、みたいな感じになるんですよね。

そんな加藤くるみさんは自分をどういうヒーローだと思いますか。

しつこいです。しつこいというか諦めないというか。こう見えて真面目なんですよ。高校生の成長はすぐには結果が出ないと思うんですね。あの子はこの段階だから、ここからやっていきましょう、というのは頭でわかっているんですよ。でも、少しでも先に行けるように何かサポートしてあげたい、という想いが私は強くて。「理想が高いんだよね、加藤くるみは」というのをよく言われます。

理想が高いヒーローということですか。

そんなことはないですよ。理想が高いというか、むしろ性格が悪いなと思います。でも、プログラムの卒業生の何人かから聞いたんですけど、荒療治的にプログラムを色々組んでもらって、それをなんとかこなしていったら成長した、みたいなことがあって。しつこい気持ちは常にある感じですね。


一人一人の基準でこれが大事だからこうする、みたいな感じで素直になれたらいいのにな


物事が左に進もうとする場合に、「右じゃないかな、右だと思うな、右でしょ」と粘るからこそ、物事がすっと進まずに、「じゃあ、真ん中にしようか」とか、「少し右の可能性を考えようか」となる可能性がある。それは、しつこい人がいるからこそ、選択に幅が出てくる気がします。しつこいヒーローが出す技はなんでしょう。

必殺技、駄々こね。

駄々こね、強そうですね。

議論をしてる時も、論理的に話すの苦手なので。その結果、駄々こねてるみたいな感じになります。ただ、駄々こねることによって、他の人が意見を言いやすくなるんじゃないかなって。「それは違うと思います」みたいな雰囲気は苦手ですね。

すごく駄々こねる人が場に居たら、話の内容が一気に広がるような気がしますね。皆が発言しやすくなる。しつこいヒーローで駄々こねるってなんかこう、小っちゃい子供みたいですね。

よく言われますよ、「本当に子供だよね」って。すぐムキになるし、負けず嫌い。本当に子供だなって自分でも思います。

しつこいヒーローとして、今後どういう未来を作っていきたいですか。

素直な社会になったらいいなと思います。私はあまりにも白黒はっきりしすぎというか、「これはできる」「これは無理」とか顔にも出ちゃうんです。今年27歳になるいい大人がなにやってるんだ、という感じなのかもしれませんが。でも、大人になったら簡単にわかったフリ、納得したフリをできる気がして。そんなフリで進めるコミュニケーションって、あたたかくない気がするんです。あと、キラキラした志より、弱みを知れたほうがその人のことを好きになるし、応援したいと思うので。

素直な社会。

人には仕事があって、勤めている会社があって、色んなことが絡んできたらできないとか、そうやって諦めたりするのはいいのだろうかと。すぐにできなくても、もうちょっと考えることをした方が世の中がちょっとずつ良い方へ変わるんじゃないかと思います。一人一人の基準でこれが大事だからこうする、みたいな感じで素直になれたらいいのになって思います。

加藤さんはこれからも社会に対して駄々をこねていくのかなと。しつこいぞ、私はと。ただ、駄々をこねた分だけ高校生とのかかわりで起きたような、誰かがそれで頑張れたり、そういう姿を見て励まされることもあるんじゃないかなって思いました。

ありがとうございます。しつこくいきます。

OTHER HEROS