HEROS

2020.3.27
no.35
佐藤 慶治
Satou Keiji
キノコと自然をこよなく愛する半島の奇人

佐藤 慶治
Sato Keiji

キノコと自然をこよなく愛する半島の奇人

1996年生まれ/宮城県仙台市出身/O型獅子座
石巻専修大学/理工学部/生物科学科卒


自分が好きな森を守れるのであれば、ハンターやってみようかな


 

佐藤) 一般社団法人はまのねで猟師をしています、佐藤慶治です。2019年6月に入社して、最初は魚を取る漁の手伝いをしていました。7月中旬頃からは、鹿狩りを始めました。

- なぜ、狩猟に興味を?

佐藤) 石巻専修大学に入学して、鹿の研究をされている先生の講義がきっかけです。野生動物保護の問題について話しているのを聞いて、石巻はこんな問題があるんだな、鹿が大変なんだな、そういえば、ハンターっていいよなと。自分が好きな森を守れるのであれば、ハンターやってみようかなと思ったんです。

- 好きな森を守れる。自然は昔から好きだったのですか?

佐藤) そうですね。特にキノコが好きなのですが。記憶がある限りでは、小学生の時からキノコが好きでした。大学に進学したのも、キノコが理由でした。キノコを食べたいというよりかは、観察したいという気持ちがあります。石巻でキノコを継続的に観察するのであれば、自然を守らなくては今後見られなくなる、という思いがありました。


自然を守ろうとして守るのではなくて、まずは自分が自然を楽しむことから


- 自然を守っていかないと、自分が好きなこともできなくなると。

佐藤) そうですね。ただ、最近は自然を守る必要はないのではと思うようになってきました。自然を守ろうとして守るのではなくて、まずは自分が自然を楽しむ。その楽しむ過程を、イベントなどにすることによって、周りを巻き込んでいく。荒れている山というのは、栗駒山や富士山のような原生林と呼ばれているものと比べて、魅力が低いわけですよね。なので、コンテンツを作って人を呼び込む必要があるわけです。結果的に、自然に対して少しでも意識を高めてもらえたらなと。そのコンテンツのひとつとして、最近、キノコリウムというイベントを行いました。

- キノコリウム、どのような内容なんでしょう?

佐藤) 牡鹿半島の自然を切り取ろうという内容の企画です。半島の植物は、鹿にほとんど食べられてしまってあまり生えていません。ですが、苔は鹿が食べない植物なんですね。その苔を採取して、キノコリウムの作成までを行います。もちろん、山の所有者の許可をいただいた上で。

- キノコリウムイベントは今後も継続していかれるのですか?

佐藤) そうですね。まずは、キノコリウムに集中して、整備してから次の段階に移ろうと思っています。キノコリウムは、菌床を使っているので、キノコが生えるのは一回だけなんです。なので、もっと生えるためにはどうしたら良いかを、考えていかないといけないですね。

- もう少し、内容を充実させていきたいと。

佐藤) はい。最近では、困りごとがあったら無料で相談することができる、キノコリウムコミュニティをFacebook上で作りました。例えば、苔の元気がなくなって、枯れてしまったなら、一緒に苔を採取しに行くことも可能です。


牡鹿半島を網羅して半島の奇人になりたい


- キノコを愛してやまない佐藤さん、今後の抱負は?

佐藤) 半島の奇人になりたいなと。裏山の奇人と呼ばれている方がいるんです。その方は蟻が好きで、裏山を調べていました。活動を続けていくうちに、調査の対象が昆虫から植物へと広がっていき、最終的に裏山の生態系を網羅したそうなんです。私は牡鹿半島を網羅したいですね。インスタグラムで、#キノコ佐藤の胞子活動というハッシュタグを作っていますが、今後も色々発信していきたいです。

- すごく気になるハッシュタグです。最後に質問なのですが、なぜ、キノコは佐藤さんの心を掴んで離さないのでしょうか。

佐藤) よく聞かれます。ただ、「好きだから」としか答えられないんです。それ以外に特に理由はないんですよ。

- 気がついたら好きだった。

佐藤) キノコは、フェアリーリングというものを形成するんですね。菌糸というのは円状に広がっているので、キノコが生える時って基本的に円になるんです。それをフェアリーリングといって、海外では、その真ん中に入ると妖精の世界に迷い込んでしまうという話があります。私も、妖精の魔法にかかってしまったのかもしれないですね。

OTHER HEROS