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2021.2.14
no.41
高橋 義仁
LIBOO
好奇心をパワーに変えて変化し続けるシンガーソングライター

高橋 義仁
LIBOO

好奇心をパワーに変えて変化し続けるシンガーソングライター

1981年生まれ/宮城県石巻市
High Bridge Record / マッスルソングライター


「弾き語りをやってみたらいいんじゃない」って言われて


石巻を拠点としてミュージシャン、サウンドクリエイター、YOUTUBERの活動をしています。2021年からは、「High Bridge Record」というレーベルを立ち上げました。

– 音楽の活動はいつ頃からはじめられたのですか?

中学生の時に始めました。同級生の友達が小学校からギターを始めていて、その影響が大きかったですね。19歳で上京後、本格的に音楽活動を始めました。さまざまなバンドを転々としていました。

– 東京でも現在のような弾き語りをされていた?

最初はずっとギターをやっていました。その後、22才の時にバンドを組んでいたボーカルに、「弾き語りをやってみたらいいんじゃない」って言われて。それで試しにライブで歌ったら、けっこう評判が良くて。中学校3年生の文化祭でオリジナル曲を披露したことがありました。でも、その当時から「歌うのはしんどいな」と思っていました。自分は「ギターをやっている人」という認識がどこかにあって。ここ数年でようやく、自分をシンガーとして考えられるようになった気がします。


一度はやめた音楽活動。嫌いだったヒップホップに衝撃を受けてラッパーへ転身


– 音楽活動の原点である石巻。戻ろうと思ったきっかけはありますか?

石巻に戻ってきたのは、今から15年前ぐらい。その時は24、5才ぐらい。 当時ガソリンスタンドや雀荘のバイトをしていたのですが、これがけっこう稼げていたんです。結果、遊ぶようになり、自堕落な生活をするようになってしまって。中途半端な気持ちなら地元に帰ったほうがいいなと思って。石巻に帰ってきてからの一年は、音楽をやろうという気分には全然なりませんでしたね。

– 一度、東京での音楽活動に区切りをつけたのですね。石巻に戻られたあとは?

TSUTAYAでCDを借りてきて、とにかくたくさん聞いてました。今までは全く聞いたことがなかったジャンルの音楽なども。例えば、HIPHOP。電子音楽系はずっと嫌いでした。ただ、「Zeebra」のアルバムを聞いた時に、今も活躍している「般若」というラッパーが参加していて、「なんだコイツわ!」と。当時、流行っていた日本語ラップよりも、アンダーグラウンドなHIPHOPを好きになり、ラッパーとして音楽活動を再開しました。


震災後に再会した思い出のギターとともに新たなチャレンジへ


– ラッパーへの転身!そこから、もう一度ギターを手にするようになった理由はなんですか?

一番の転機だったのは震災です。ラップのサウンドを作るための機材が全て津波に流されてしまって。日々の作業に追われたこともあって、活動を続けるのが難しい状態になりました。その後、震災から1年ぐらい経った時に、津波の被害を受けなかった家の2階から、ギターを一本見つけました。中学生時代の文化祭ライブを思い出しましたね。「ギターしかやっていなかった自分が、弾き語りをやったりしてたなー」と。それで、ひとまずギターをもう一度やってみようかなと。

– 弾き語りを主として音楽活動を再開。現在は、Youtuberとしても活動されていますよね。

コロナ禍でイベントやライブはほとんどなくなってしまって。試しにいろんなツールを使ってライブ配信をやってみました。その時、Youtubeにさまざまなコンテンツがアップされているのを見て、「残すということを自分は一番してこなかったんじゃないか」と思いました。ライブやラップのフリースタイルのような瞬間的なものだけじゃなく、いつでも見られるコンテンツを残していけたら、10年後、楽しいんじゃないかなと思って始めました。


安心して自分でいられるこの街で、自分が面白いと思うことをやる


– チャレンジ精神!石巻にいる今、東京にいた時の自分と比べて変化は感じますか?

今は、自分が面白いと思えるものを、自分のペースで作ることを大事にしています。また、そういう人が石巻には多いなと感じています。東北の一地方でありながら「人種のサラダボウル」化されているというか。震災後、自然に増した多様性のおかげで、安心して「自分は自分でいる」ことが許されていると感じています。

– 興味、好奇心を優先するようになったのですね。

そうですね。逆に自分が東京にいた時は、自分じゃない何者かになろうとしていた気がします。でも、自分はどこにいても自分なんですよね。自分という定められた枠はあると思っています。例えば、包丁はどう使ってもいい。ただ、包丁でクギを叩くことは効率が悪いですよね。あの頃は、そういうことをやろうとしていたような気がします。

– なるほど!今後はどのような活動に興味が向かっていますか?

とにかく音楽を制作してひたすら発表していきます。その一方で、周りとつながっていく作業も必要だと考えています。石巻は自由な街なだけに、個人単位の活動が多いと思うんですよね。 交流する人も固定されてしまったり。その中で熟してくるのもいっぱいあると思います。それとは別に、石巻の音楽シーンにとって、プレイヤー同士がつながっていくっていう動きは大事だと感じています。あとは、コロナ禍で減ってしまったイベントを、地元ライブハウスでうまくやれる方法を模索していきます。

 

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