HEROS

2021.2.21
no.45
志村 春海
Shimura Harumi
その土地ならではの表現を
探る伝道者兼コーディネーター

志村 春海
Shimura Harumi

その土地ならではの表現を探る伝道者兼コーディネーター

1988年生まれ/宮城県石巻市/東松島市
Reborn-Art Festival事務局スタッフ


震災後の地元、何もしないよりは関わってみよう


Reborn-Art Festival事務局のアート担当として、芸術祭の準備をする仕事をしています。2021年から若手世代対象のアートプロジェクト「イシノマキ アート はい!スクール」も開始しました。以前は、足尾銅山での生活史の聞き取り等もやっていました。

– 石巻での活動はいつ頃からはじめられたのですか?

2016年にUターンしました。地元に戻りたいと思い、教員を目指していたのですが、教員採用試験に受からなくて。その後、宮城県内で職を探していたら、地元石巻で行われる総合芸術祭「Reborn-Art Festival」の求人に行き着きました。

– 芸術祭のような地域活性化について興味はあったのですか?

地元に戻りたいと思っていた一方で、震災後の新しいまちづくりや支援の延長の動きには、積極的に関わる気はありませんでした。ですが、芸術祭の求人情報をみて、何もしないよりも関わってみようと思って、エントリーしました。


アートの活動を通して、石巻に対するイメージや価値観が変わった


– 地元に戻る方法を探していたら、芸術祭に関わることに。関わってみてどうでしたか?

石巻に訪れたアーティストたちのアート作品ができる過程で、この街のいろんな人と出会ったり、いろんな光景を見ることができました。一次産業が生き生きしているな、とか。震災がきっかけでいろんな人が移住しているなど。「被災地」「地方」といった、石巻に対する決めつけられたイメージや価値観が表面的にこびりついてしまっている面もあります。それをどういう風にすれば、本当の姿に近づいて当事者として体験していけるのか、気になっています。制作過程でそういう姿にブチ当たる瞬間が貴重だと思っています。

– 街での活動を通して、石巻の新しい一面を発見されていったのですね。

はい。震災後の地元には関わりにくいと思っていたのですが、仕事を通して少しずつ距離を近づけられるようになりました。また、一人ではできない規模のイベントや作品制作に関わるので、知り合いが増えたり、新しい視点が得られたり、世界が広がりました。土木系等の分野についてもちょっと詳しくなりましたね。道路を作る時のように、トラックの手配や何トンレベルで材料を仕入れるなど…。活動の中でありとあらゆることを経験しています。


この地域ならではの本当の姿や、問題に触れられることを


– 今後はどのようなことをしていきたいですか?

Reborn-Art Festivalについては、コロナ禍の状況を考慮したうえで開催すること、1回目、2回目よりも進化した内容にしていくこと。また、学生を対象にしたインターン制度を充実させたいです。あとは、今年から始まった「イシノマキ アート はい!スクール」を丁寧に進めていきたいですね。石巻の中で、様々な表現者による授業が展開されていくプロジェクトです。「アートに興味がない」「参加しなくてもいいかな」と思っている方にも、振り向いてもらえるような内容にしていきたいです。

– さらに、新しい活動を充実させていきたいと。

そうですね。個人的には、この地域ならではのアーティスト・イン・レジデンスや、震災前のことも含めた地域情報の聞き取りをゆっくりやっていきたいです。芸術祭の仕事だけではなく、いずれは個人として自立していけたらと思います。

 

写真協力 : 中村 加代子

AIR_J 日本全国のアーティスト・イン・レジデンス総合サイト
https://air-j.info
地震を治すプロジェクト
http://nishiko55.com/eq/
イシノマキ アート はい!スクール
https://www.ishinomakiarthaischool.com

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