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2021.2.28
no.51
門間 明美
Monma Akemi
からだにやさしいごはんと
暮らしを研究する場を
提供するカフェ店主

門間 明美
Monma Akemi

からだにやさしいごはんと暮らしを研究する場を提供するカフェ店主

1966年生まれ/宮城県石巻市桃生町
薬膳カフェ「穀雨茶房もも」店主 / 国際中医薬膳師


つくり手の人たちを伝えていく媒体としてのお店



季節の移り変わりを教えてくれる店内の掲示板

「穀雨茶房もも」という薬膳カフェを営んでいます。2002年から2011年まで石巻で営業し、2013年まで仙台で焼き菓子屋を営業、2017年に再び石巻でリニューアルオープンしました。二十四節気に応じた、からだにやさしい薬膳ごはんの提供しているほかに、さまざまなワークショップ、イベントを店内や石巻各地で開催しています。

– ワークショップやイベントはどのように運営されていますか?

自分の興味があることや、好きなことを考えて、お客さんを巻き込んで企画しています。主に地元の魅力を伝えるために開催していますね。お店のコンセプトは、「つくり手、つたえ手」です。ただカフェをやるというわけではなく、つくり手の人たちを伝えていく媒体としてのお店でありたいと思っています。

秋の収穫を楽しむ会にて中国茶野点

– お店がひとつのメディアという存在なんですね。

自分の好きなものを発信したいというか。なかば押し売りかもしれませんが、「こういうの好きなんだけど、どう?」という感じで。自分が思ってることや興味あることに共感してもらえるお客さんに来てもらえばいいなと思っています。


人間っていつ死ぬかわからないから、自分の好きなことをちゃんとやろう


– 好きなことを公に表現するのに抵抗などは感じませんか?

お店や仕事では楽しいことをしたいんです。辛い思いをして何かを生み出したくないんですよ。「好き」というエネルギーはハッピーなエネルギーですよね。受け取った方にもエネルギーを感じてもらえるし、その方が良い循環を生むと思っています。

– そのように考えるようになったきっかけはありますか?

きっかけは、死ぬかもしれないレベルの病気を経験したことですね。人間っていつ死ぬかわからないなって。病気になる前、パティシエとして無理して頑張りすぎました。好きな仕事を自分で辛い仕事へと変えてしまい、ストレスが溜まって病気になった。いくらお金のためとはいえ、自分を苦しめてまで仕事をするべきではないなと。周りに合わせすぎずに、自分の好きなことをちゃんとやろうと決めました。

四季が生みだす彩りを五感で愉しむ穀雨定食

– それが現在の働き方に繋がっている。

そうですね。自分の意にそぐわないことを無理してやるよりは、自分の心を解放して好きなことをやった方が心地いいと実感したので、今もそれをやっています。自分が考えたことや作ったことに対して、お客さんが嬉しそうにしていたり、「美味しい!」と話しているところを見ると、すごく幸せを感じます。


未来のためにヒントを与えられるような場所を提供したい


「くらしの研究室」入り口

– その後、活動を続ける中で、石巻という街にはどのような印象がありますか?

石巻はとても好きですね。これまでに大阪、兵庫、栃木、仙台にも暮らしてきましたが、改めて石巻に戻って活動していて思うのが、いろんなバランスが取れている良い街だなと。山や海の恵みがあり、住む人があったかい、街のサイズもコンパクトで生活しやすいなど、住めば住むほどすごい好きになっていく。若い時は「石巻いやだなー」と思っていましたが、今は心地いいです。

あかま里山農園にて食材について聞く

– 今後、この街でしていきたいことはありますか?

様々な技術を持っている石巻の人たちを、いろんな方にお披露目したいです。現在、お店の隣に「くらしの研究室」というスペースを準備中です。暮らしのヒントになるような情報を、いろんな人を交えて発信していきたい。もちろん、自分が興味あることを中心にセレクトしていきます。この人のこういう話を聞きたいから、こういう勉強会をやろう、など。

「くらしの研究室」内の壁をDIYで作っている様子

– 暮らしをテーマにされた理由はなんですか?

お米を育てるのも、お料理をするのも、縫い物をするのも、全てのことが暮らしと密着しています。人間が暮らしていくための、一個一個の小さな事柄を、みんなとシェアしながらちょっとずつ紐解いていく。それが暮らしの基になっていく。環境問題の話に発展していくこともあると思います。未来はどんな世界になっているかわかりません。本当に些細なことからでいいんですよね。ゴミの仕分けだったりとか、洗剤を変えるなどから始めていって、子どもたちにも継承していきたいです。

「くらしの研究室」内装

– 未来を守るためにも、現在を大事にする、そんなイメージが浮かびました。

そうですね。今の子どもたちが、何十年後の地球でも生きやすいように、大人になった私たちが繋いでいかなくちゃいけない。50代は、やりたいことがより明確になって、わがままに活動できる年齢です。子育ても一段落して、自由な時間も増えました。ただ、日々をなんとなく過ごすのではなくて、ちょっとでも未来のためにヒントを与えられるような場所を提供したいですね。

 

穀雨茶房もも
HP : https://www.sabo-momo.com/
insta : momo_chaen

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